トップアスリート発掘・育成事業に応募後、選考過程で実施する「体験プログラム」において、全7競技の中から3競技以上を選択し、自らが取り組む競技を絞り込みます。
第10期生として認定された2年目からは、自ら選択した1競技で必要となる技術を学ぶ「競技別専門プログラム」において、5月から12月までの隔週土曜日・日曜日や夏休みを中心に実践的な練習に取り組みます。
第10期生が「競技別専門プログラム」に取り組んだ様子を一部御紹介いたします。
令和元年7月28日(日)
講師 東京都カヌー協会
会場 江東区東大島 旧中川
カヌーの育成プログラムは、江東区東大島にある旧中川にて行われます。当日は、江東区のクラブチームの選手や本事業修了生と合同での練習となりました。
江東区東大島 旧中川
初心者には難しい印象があるカヌー競技ですが、転覆しにくいジュニア艇で基礎的な練習からスタートできるため、競技未経験でも楽しみながら技術を習得できるプログラムが組まれています。
当日の練習では、指導の補助をしていただいている大学生と二人でシングル艇よりもスピードが出るペア艇に乗り、速いスピードの中でのパドリングを身につける練習が行われました。適宜、後方の大学生から指導があり、フォームの改善を図ることで、実践の中で技術を身につけました。
第10期生は、競技開始してから3ヵ月でしたが、既に競技用のシングル艇に乗ることができ、技術の習得がとても速いと講師の方も評価していました。
令和元年8月17日(土)
講師 東京都ボクシング連盟
会場 駿台学園高等学校
ボクシングのプログラムは、駿台学園高等学校や府中東高等学校、青山学院大学、日本大学などで実施されます。練習では、高校生や大学生にサポートしてもらいながら、パンチの打ち方や足の運び方など基本的な動作を見つけるところからプログラムはスタートします。
当日の練習では、ミッド打ちやサンドバッグでのパンチ練習、シャドーボクシングによるフォームの確認を行いました。
ボクシングは上半身の動きに目が行きがちですが、足の位置(スタンス)や足の運び方も非常に重要。シャドーボクシングによるフォーム確認では、ガードの位置やスタンスなどに関して丁寧な指導があり、10期生の動きも見違えるように上達していました。
講師の先生方は、10期生の飲み込みの早さに驚いており、ポテンシャルはとても高いとお話しされていました。10期生の今後の成長にも期待しましょう。
令和元年8月17日(土)
講師 東京都アーチェリー協会
会場 都立光が丘公園弓道場
当日の練習では、翌々週に控えた大会を想定した練習が行われました。先ずは、フォームチェックを目的とした5m・10mからの近射を行いました。4月から競技に取り組み始めていますが、フォームを徹底的に身体に覚え込ませるには重要な練習となります。
フォームチェック
その後、18mの位置から試合を想定し、1ラウンド(3射)×10を2セット行いました。また3射で点数を計算する点取りを行いました。第10期生は講師の先生の指導を受けながら、自身の感覚のずれを修正し、また弓や弦の調整しながら矢の精度を上げていきました。
大会想定練習
点取り(点数の確認)
講師の先生からは、練習量の確保が現在の第10期生の課題とのことでした。身体能力には目を見張るものがあるので今後、明確な目標を持ちより主体的に練習に取り組むことで成長が期待できるとお話がありました。
令和元年11月30日(土)
講師 (一社)東京都レスリング協会
会場 自由ヶ丘学園高等学校
レスリングのプログラムは都内の強豪高校である自由ヶ丘学園高等学校や日本体育大学桜華高等学校で実施されます。
プログラムは他団体と合同で行われ、練習は入念なアップ(首のストレッチ、馬跳び、ステップワーク)により怪我を起こさないように筋肉をほぐすところから始まりました。
その後は、ペアによる技術練習や実践に即した練習が行われます。練習では、様々な選手とペアを組んで練習するため、様々なタイプの選手に対応できる力が身につきます。
また、技術練習では、上級生が腕のつかむ位置や技のかけ方などの技術を下級生に丁寧に指導していました。
国体出場選手も練習には参加しており、トップレベルの選手たちと切磋琢磨しながら技術を磨くことができる環境が整っています。
令和元年12月8日(日)
講師 東京都自転車競技連盟
会場 西武園競輪場
自転車のプログラムは西武園競輪場(トラック練習)や青梅周辺(ロード練習)で行われます。東京都の強化指定選手の練習も同時に行われることもあり、トップ選手のスピードを間近に感じることができます。
この日は育成プログラムの最終日となるため、タイムトライアルなど今までの成果を確認しました。ハロン(坂を利用した200m)やスタート後200m、1000mのタイムトライアルなどを行いました。10期生は目標タイムを見事クリアし、着実に力をつけてきたことが分かりました。
講師の方々は、10期生は上半身がぶれることなく体幹を使って漕ぐことができており、習熟度が高いと評価していました。選手たちさらなる成長を楽しみにしましょう。
令和元年12月15日(日)
講師 (一社)東京都ボート協会
会場 東墨田ボートコース
ボート競技の練習は墨田区にある東墨田ボートコースで実施されます。東墨田ボートコースでは、近隣高校のボート部も練習会場として使用しており、ボート競技の聖地として活気があふれています。
練習では、最初にシミュレーターを用いてフォームの確認を行われました。姿勢や手首の動かし方など丁寧な確認が行われます。その後は、エルゴメーターによる筋力トレーニングを行いました。
陸上でのトレーニングを行った後、乗艇練習に移りました。多くは競技未経験からスタートした第10期生ですが、段階的な練習計画が組まれているため、十分にボートに乗ることができています。
第10期生からは、ボート競技が楽しいという声が多く聞かれました。専門プログラムだけでは物足りず、自分でチームを見つけて練習している選手もいるとのことです。今後の更なる成長が楽しみです。
※エルゴマシン
ボート競技を実際に行っている時と似た条件の負荷をかけて、運動者の体力測定やトレーニングを行う器具
令和元年12月9日(日)
講師 東京都ウエイトリフティング協会
会場 東亜学園高等学校
専門プログラムは、東亜学園高等学校や武蔵の森総合スポーツプラザで実施されます。
当日は、今までのプログラムの成果を確認する意味を込めてスナッチとクリーン&ジャーク両種目の記録測定が行われました。測定に先立ち、まずは軽い重さでウォームアップを兼ねたフォームの確認を行います。
第10期生は見事、両種目ともに自己ベストを更新。着実に力をつけていること実感することができる結果となりました。
フォームの練習から、拳上練習と段階ごとに育成計画が組まれており、競技未経験でも着実に自己ベストが更新できるようになっているため、自分の成長が実感できるのもウエイトリフティング競技の魅力の一つです。
今年度、第10期生はこの「競技別専門プログラム」において、各競技における技術を向上させることに取り組んできました。
本プログラムにおいて、同じ志を持つ仲間とともに学んだことを糧に、今後も自ら選択した競技に主体的に取り組み、目標であるトップアスリートを目指していきます。