トップアスリート発掘・育成事業に応募後、選考過程で実施する「体験プログラム」において、全7競技の中から3競技以上を選択し、自らが取り組む競技を絞り込みます。
第11期生として認定された2年目は、自ら選択した1競技で必要となる技術を学ぶ「競技別専門プログラム」において、土曜日・日曜日や夏休みを中心に実践的な練習に取り組みます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、どの競技も当初のスケジュールからの変更を余儀なくされましたが、講師の先生方をはじめとした関係者のご尽力もあり、万全の感染症対策を施したうえでプログラムを開催することができました。
第11期生が「競技別専門プログラム」に取り組んだ様子を一部御紹介いたします。
令和2年6月7日(日)
講師 東京都ウエイトリフティング協会
会場 東亜学園高等学校
ウエイトリフティングのプログラムは、全国的にも強豪校である東亜学園高等学校で実施されます。当日は第11期生にとって初回の練習であったため、まずプログラムを通した年間の目標等を確認しました。
「体験プログラム」以来の練習となる第11期生は競技の感覚を取り戻すため、基礎的な練習を中心に取り組みました。
ウエイトリフティングは挙上までのフォームが重要となる競技です。講師からは、一連の動作をパーツごとに切り取り、それぞれの動作を丁寧に行うよう指導がなされていました。デッドリフト(床に置かれたバーベルを持ち上げる動作)一つとっても、一般的なトレーニングでの動作とは異なるため、第11期生は苦戦をしているようでした。
多くの修了生が活躍をしているウエイトリフティング競技。第11期生の活躍も期待しています。
令和2年10月25日(日)
講師 東京都ボクシング連盟
会場 民間ボクシングジム
対人競技であり、屋内で実施をするボクシングは新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、プログラムの開始が大幅に遅れました。練習中は原則マスク着用、なるべく接触は避けながらも、熱中症対策で飲水はこまめにと、徹底した対策が求められましたが、そんな中でも第11期生はひたむきに取り組んでいました。
当日の練習では、ステップワーク、サンドバッグでのパンチ練習と基本的な練習から、ディフェンスの練習を行いました。態勢をしっかり立て直すこと、攻守の連動性を意識することといった講師の指導にしっかりと耳を傾けて練習に励んでいました。
ボクシングのプログラムでは、講師と生徒が常にコミュニケーションをとり、選手一人ひとりの課題に併せて練習が進められます。初心者もいる競技ですが、各自が自分の課題にしっかりと向き合って取り組んでおり、講師の先生も練習時間の短さを感じさせないほど成長が早いと驚いておられました。
令和2年11月15日(日)
講師 東京都アーチェリー協会
会場 江戸川区総合体育館アーチェリー場
当日の練習は、フォームチェックを目的とした近射から始まりました。2~5mの距離で射ることでフォームを身体に覚えさせる基礎固めの練習となります。
その後、18mの位置から試合を想定した実射を複数回行いました。第11期生にはそれぞれ1名ずつ講師の先生がつき、1射ごとに指導を受け、フォームや弓や弦の調整をしていきます。講師と積極的に意見交換をして自身の感覚を研ぎ澄ませていく様子が見られ、とても集中して練習に励んでいるようでした。
講師の先生からは、弓を引く力が少し弱いものの、短い距離の実射から地道に積み重ねて筋力をつける練習をしていくことで、さらに成長ができると期待が込められていました。
第11期生はすでにいくつかの大会に参加をしており、実戦経験を積んでいます。今後の活躍がとても楽しみです。
令和2年11月22日(日)
講師 東京都自転車競技連盟
会場 西武園競輪場
自転車のプログラムは西武園競輪場(トラック練習)や青梅周辺(ロード練習)で行われます。
当日は、ハロン(坂を利用した200m)、1000mのタイムトライアルなどの練習を中心に行いました。気温が低く、風が強い日ではありましたが、第11期生は重心をぶらさず、しっかりと踏み込みができており、着実な成長を見せてくれました。コロナ禍で十分な練習時間の確保ができていませんが、第11期生は飲み込みが早く、センスも良いのでトップレベルの選手になる力を秘めていると講師の先生も期待を寄せていました。
また、この日は本事業の修了生が講師として第11期生を指導してくださいました。選手として活動を続けながらも、次世代の選手へ還元するという好循環がこの事業の中で生まれているといえるでしょう。
令和2年12月13日(日)
講師 (一社)東京都レスリング協会
会場 自由ヶ丘学園高等学校
レスリングのプログラムは都内の強豪高校である自由ヶ丘学園高等学校や日本体育大学桜華高等学校で実施されます。
当日は東京都の国体候補強化事業選手と合同で行われました。
練習は入念なアップ(首のストレッチ、馬跳び、ステップワーク)により怪我を起こさないように筋肉をほぐすところから始まりました。
その後は、二人一組になりタックルやディフェンス、フェイントなどの技術練習や実践に即した練習が行われます。実践型の練習ではフリースタイル(全身を駆使して戦う形式)、グレコローマン(上半身のみを使って戦う形式)の競技形式でそれぞれ対戦をしました。
タックルなど、低い姿勢から繰り出すレスリング特有の動作の熟達はこれからですが、一つ一つの練習で指導者の声に熱心に耳を傾け、技術向上に努める姿勢が見えました。
令和2年12月20日(日)
講師 東京都カヌー協会
会場 江東区東大島 旧中川
カヌーの育成プログラムは、江東区東大島にある旧中川にて行われます。当日は気温が低く、12月の寒空となりましたが第11期生は元気にプログラムに取り組みました。
初心者は乗りこなすのが難しく転覆も珍しくないカヌー競技ですが、今回で22回目の練習とあって、第12期生は軽快に漕艇をしていました。この年代の主な大会では500mがメインとなりますが、試合のないこの時期は長距離を漕いで体力をつけるトレーニングとなります。この日も旧中川の長距離(5km程度)を指導の補助をしていただいている大学生とともに往復をしました。
よりスピードの出せる公式艇を乗りこなすにはまだまだこれからとのことですが、真面目にプログラムに励んでいる第11期生の成長が楽しみです。
※ボート競技は新型コロナウイルス感染症の影響により取材断念