東京アスリート認定選手・インタビュー(57)
カヌー(スプリント)久保田愛夏選手、平田侑杜選手、沼田蒼太朗選手

久保田愛夏選手、平田侑杜選手、沼田蒼太朗選手の写真1

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【プロフィール】
(中央) ●久保田愛夏 くぼた まなか
1996年7月9日生まれ ぎふ瑞穂スポーツガーデン所属
東京アスリート認定選手(平成28・29年度)
東京都が実施するトップアスリート発掘・育成事業をきっかけに、高校生の時に本格的に競技を開始。
2018年 アジア大会 4位
2019年 世界選手権 9位
2020年 日本選手権 優勝
2021年 東京2020オリンピック競技大会 女子カナディアンペア500m 14位

(左) ●平田侑杜 ひらた ゆうと
2003年4月22日生まれ 私立正則学園高等学校所属
東京アスリート認定選手(令和2・3年度)
通っていた江東区内の中学校がカヌーの拠点校であったことがきっかけでカヌーと出会う。
2020年 日本カヌースプリント選手権 男子カヤックペア1000m 2位、500m 3位
2021年 令和3年度インターハイ 男子カヤックペア 4位

(右) ●沼田蒼太朗 ぬまた そうたろう
2004年8月7日生まれ 私立正則学園高等学校所属
東京アスリート認定選手(令和2・3年度)
小学2年生で競技をはじめる。4年生から子供向けのカヌー大会に出場、6年生時には優勝を果たす。
2019年 JOC全国中学生大会 男子カヤックシングル 3位、ペア 2位、フォア 優勝
2020年 日本カヌースプリント 選手権 男子カヤックペア1000m 2位、500m 3位
2021年 令和3年度インターハイ 男子カヤックシングル 7位、ペア 4位

~「カヌースプリント」の魅力は?~

久保田「カヌースプリントは着順で競うので、誰が見ても結果がわかりやすく、観ても楽しめる競技。また、カヌーは自然と向き合う競技なのでスタートからゴールまで何が起きるかわからないスポーツ。カヌーはスラローム、スプリント、ワイルドウォーターなど様々な種目があるので、自分がやりやすい種目を選んで体験してもらえると嬉しいです。」

~競技活動と家族のサポート~

平田侑杜選手の写真

久保田「試合のたび優勝したらおめでとうと言ってくれました。オリンピックが終わって、頑張ったねとか、お疲れ様と言われたのが一番ですね。」
平田「高校1年生の国体出場時に、「君のおかげで大会の遠征場所に観光がてら行けて楽しめたよ、ありがとう」と言われたのは嬉しかったです(笑)」
沼田「積極的に応援してくれる家族で、中学の時の全国大会で4人乗り(フォア)競技で優勝した時本当に喜んでくれたことが嬉しかったです。」

~東京2020オリンピック競技大会に出場して~

久保田愛夏選手の写真

久保田「世の中がコロナウイルスで大変な中、オリンピックを開催してくださったこと、本当にありがたく思いました。開催されたことが当たり前ではないのだなとボランティアの方たちなどの姿を見ていてとても感じました。日本代表としてオリンピックに出場できたことは本当によかったと思っています。これまでは他の選手と自分を比べたりして、自信がもてない部分があったのですが、オリンピックに出場し、満足のいくレースをやり切ることができ、とても自信になりました。」

~これからの目標、そして目標とする人~

久保田「競技人生としてはオリンピックのレースが終わってやりきれたと思っています。今後は、カヌーを実践している中・高校生が大舞台を目指すことができるような環境づくりをしていきたいです。また、パラカヌーの普及発展など、カヌーに貢献していきたいという想いが一番強いです。」
平田「将来的にはオリンピック出場が目標。近い目標は、2021年5月の東京大会でシニア選手に勝って1位になり、関東ブロックでの出場権を獲得し、国体に出ること。大学に進学をする年でもあるので、インカレでも活躍したいです。」
沼田「国際大会に出場したいです。3月には、世界選手権選考会(香川)で、勝って出場権をつかむのを目標にしています。」

沼田蒼太朗選手の写真3

沼田「(目標の選手は)ちょっと恥ずかしいですが、隣に座っている平田先輩。自本格的にカヌーを始めたのは中1の頃からですが、その頃から1個上に化け物みたいな先輩がいるというのは聞いていて。それが平田先輩で、ずっと中学の頃は目標にしてやっていました。高校から同じ学校で2人乗りのペアとして、今年(2021年)の8月にインターハイにも出場し、2人で頑張れたので。目標兼ライバルみたいな感じで尊敬しています。」
平田「初めて聞いたので驚きましたが、これまでも一番近い強敵・ライバルとしては沼田がいるので、切磋琢磨してお互いにこれから先強くなっていければいいかなと思います。」

~久保田選手にお会いして~

沼田「久保田選手は東京都の大先輩で、大きなタイトルの成績とかもたくさんとってらっしゃるし、自分も負けないようにこれからたくさん活躍できたらいいなと思います。」

~久保田選手から次代選手へのメッセージ~

沼田「世界大会などの出場経験がなく、大会の動画を見ているだけなのですが、国際大会に出てくる選手の体格は画面からはわからないです。実際見てみて、その迫力などはどうなのでしょうか。」
久保田「画面で見るよりも3倍ぐらいデカいです(笑)。腕なのに腕じゃない(笑)。胸も厚みがすごいです。」

久保田「大きな大会での優勝などの目標も大事ですが、ゴールした時にやり切れたと思えるように練習したり、不安要素がなくレースに臨んだりすることを考えてカヌーと向き合って欲しいです。カヌーはしんどいスポーツだと思うので、楽しむことがそのしんどさを半減できるとも思います。楽しいなと思って始めた初心の頃を思い出して頑張って欲しいですね。」

~応援してくれている方々へ~

久保田「東京2020大会までたくさんの応援ありがとうございました。今後はカヌースプリントの普及発展を中心に活動し、カヌー界を盛り上げていけるように頑張ります。今後とも応援よろしくお願いします。」
平田「いつも応援してくださっている皆様本当にありがとうございます。これから先は応援してくれている方に競技の成績で恩返しができるよう日々精進していきたいと思っているので応援よろしくお願いします。」
沼田「いつも応援してくださっている皆様本当にありがとうございます。家族もそうですし、身近な人だと床屋の人やコンビニの店員さんも自分の活躍を見てくれていて、会うたびに応援しているよと言ってくれるので、期待に応えられるよう頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします。」

3者3様ではあるが、3人に共通する実直で努力を惜しまない人柄をうかがい知ることのできる、これらの言葉は、「カヌースプリント」という種目、ひいてはカヌー競技全体の未来を明るく照らしているようにも感じられた。今後の活躍に注目していきたい。

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