東京アスリート認定選手・インタビュー(56)
車いすラグビー 長谷川勇基選手

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【プロフィール】
はせがわ ゆうき
1992年生まれ ソシエテ・ジェネラル証券株式会社所属
東京2020パラリンピック競技大会 銅メダル

高校3年生の時に砂浜で転倒して頚髄を損傷。20歳で医師の勧めにより車いすラグビーと出会う。25歳の時に強化合宿へ召集されたことを機に、本格的に取り組むようになりました。持ち点の最も少ない(0.5点)のローポインターとして、的確なプレーでチームを支える選手です。

~東京大会に出場した感想を教えてください~

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2019年の車いすラグビーワールドチャレンジ以来2年ぶりの国際大会だったこともあり、テレビを通して多くの方に見てもらえてよかったです。色々なところからインタビューのお話をいただき、SNSでも反響がありました。個人的には、パラリンピック初出場・初メダルで嬉しく感じましたが、チームとしては金メダルが取れなかったので、悔しさも残っています。

チームとしてしっかりまとまってはいましたが、監督との交流も含めて、個人個人でのコミュニケーションや、全体で会話をできる時間がなかなか取れませんでした。その点をもう少し強化できていたらよかったと思います。

競技以外の面では、選手村でアメリカやイギリスの選手とピンバッジの交換をしたことが、いつもの国際大会にはないパラリンピック特有の体験で、面白かったです。

~東京大会に向けてのどのような準備をしましたか~

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いつも通り、練習と同じようにルーティンを決めて臨んだので、パラリンピックだからといって何かを準備したということはありません。普段通りを心がけていました。

パラリンピック代表には12人しか選ばれないので、選手発表が近づくと、味方同士でも緊迫したような独特な雰囲気で合宿が行われました。そんな中、自分は日本代表に選ばれるかどうかのボーダーライン上にいたので、他の選手と馴れ合いになってしまわないよう、距離を置いて、黙々と自分のことに集中していました。周囲に惑わされないように気を遣っていたと思います。

パラリンピックが始まり、初戦のフランス戦では、緊張して最初のピリオドの記憶があまりありませんが、試合を重ねるごとに緊張もほぐれ、自分らしいプレーができるようになったと思います。

~次の目標を教えてください~

直近では、2022年に世界選手権がデンマークで開催されるので、そこに出場し、結果を残すことです。2024年のパリ大会ではしっかりメダルをもっといい色にできるように、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います

また、選手で言えば、アメリカのジェフ・バトラー選手が目標です。自分と同じ持ち点0.5点(※)の選手で、ボールハンドリングに卓越しています。0.5点の選手はボールを持って走ることは少ないので、ボールハンドリングを強化すればチームの助けになるなと感じているので、頑張りたいです。

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※車いすラグビーでは、障害の程度に応じて選手の持ち点(0.5点~3.5点)が設定され、コート上の4選手の合計は8点以内。0.5点は最も障害が重い場合の持ち点。

~練習で心がけていることはありますか~

最近は、味方同士で声を掛け合うということに、特に集中しています。東京大会では、コミュニケーションの大切さが身にしみたので、日常生活から会話を多くしていきたいと思っています。自分は元々あまり喋るタイプではないので、頑張って喋っていこうと思っています。街で見かけた際には気軽に声をかけてください。よろしくお願いします。(笑)

~モチベーションの保ち方を教えてください~

普段から浮き沈みがあまりない性格なので、試合でも常に落ち着いて、いつも通りにプレーできるところが自分の強みだと思っています。また、スニーカー集めが趣味なので、気分を上げたい時は、靴を眺めます。試合の度に靴の色を変えて気分も変えているので、「今日は何を履いているんだろう?」と注目していただけると嬉しいです。

~車いすラグビーの見どころを教えてください~

車いすラグビーの見どころは、ハイポインター(※1)同士の激しいぶつかり合いや、ロングパスでトライ(得点)する瞬間だと思います。まずそこを見ていただき、車いすラグビーを見慣れてきたら、今度はローポインター(※2)の動きにも注目して見ていただければと思います。

※1 障害の程度が比較的軽い選手
※2 障害の程度が比較的重い選手

~応援してくれている方へメッセージをお願いします~

車いすラグビーをいつも応援してくださってありがとうございます。引き続き、パリパラリンピックに向けてチーム一丸となって頑張っていきます。国内では、今年2月に車いすラグビー日本選手権という大きな大会があります。千葉のポートアリーナで行われるので、ぜひ見に来てください。

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