車いす使用者の中には、脊髄損傷や頸髄損傷による機能障害のほか、脳性まひにより立位の姿勢が難しく、車いすを使用している人もいます。車いす使用者は、下肢に機能障害のある人が多いですが、上肢に障害のある人の中には、電動車いすを使用している場合もあります。
手や指に欠損やまひがある場合は、字を書いたり手先の細かな作業が困難です。また、口や舌にまひがある人は、言葉でのコミュニケーションが難しい場合もあります。
車いす使用者は、階段や段差があると、自力では移動が困難になります。付近にスロープやエレベーターがあれば案内しますが、段差を持ち上げる方法など、車いすのサポート方法も知っておきましょう。
上肢にまひがある人は、文字が書けない場合もあります。必要に応じて声をかけ、代筆などの手助けをしてください。
車いす使用者の中には、体温調節ができない人もいます。特に、暑くなり過ぎないよう、エアコンや扇風機を活用するなど気をつけてください。熱中症対策として、霧吹きなどを使い、体温を下げるなどの対応も効果的です。
車いすを使用していると目線が低くなるため、立った姿勢で話しかけると見下されているように感じることがあります。車いす使用者に話しかけるときは、腰をかがめて、目線を合わせるようにしましょう。
競技専用の車いすを使用した陸上、バスケットボール、バドミントン、ラグビー、卓球、フェンシング、テニスなどがあります。日常用の車いすに乗ってできるスポーツもあります。水泳も人気のスポーツです。
ボッチャは、障害の程度が重い車いす使用者が行うために開発されたスポーツですが、現在では障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に楽しめるスポーツになっています。
車いす使用者の中には立つことができる人もいるので、あらかじめどのような障害なのかを聞いておきましょう。
一概に車いす使用者といっても、障害の種類や程度は人それぞれで、取り組むことができるスポーツが変わってきます。障害により動きや座位バランス、腕の動かし方も違いますので、一度どのような障害なのか聞いてみましょう。
屋外グラウンドなど、地面に凹凸がある場所や芝生などではタイヤが動きにくくなり、車いすを動かすのはとても大変です。できるだけ、段差や障害物のないスペースでスポーツをしましょう。
車いすの移動方法は、障害の状態により人それぞれです。両手、足で蹴る、片手・片足で操作するなど、また、電動車いすで自走する人もいます。
それぞれがどのような動きで、どれくらい自分自身で動かしているかを観察しておくと、どのようなスポーツを紹介できるのか、ヒントを得ることができます。その中でできることを見つけ出して、ルールやフォームを工夫していくと良いでしょう。