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アイコン:トイレトイレ

車いすのまま利用でき、オストメイトなどの設備がある「だれでもトイレ(多目的トイレ)」がない場合も、すべての利用者が気持ちよくトイレを利用できるように工夫をしましょう。まずは、常に清潔を保つところから心がけてください。

イメージ図:初期対応

トイレの利用で困っている人への対応と配慮

アイコン:視覚障害者
視覚障害者の場合:
「男性用か、女性用かの、区別がつかない」
「内部の配置や設備の利用方法がわからない」など
  • スタッフが一緒に案内して、場所や内部の状況を説明しましょう。視覚障害者の場合、必ずしも多目的トイレが使いやすいわけではありません。利用者本人の意向を確認した上で、案内してください。
アイコン:視覚障害とスポーツ障害者の全体オリエンテーション実施ポイント

アイコン:肢体不自由とスポーツ ~立位~
肢体不自由者(立位)の場合:
「和式トイレが使用できない」など
  • しゃがむことができない人には、和式トイレの利用は難しく、洋式トイレを利用します。洋式・和式の表示がトイレの入口や扉にあるとわかりやすく、利用しやすいです。
アイコン:視覚障害とスポーツ障害者の全体オリエンテーション実施ポイント

アイコン:肢体不自由とスポーツ ~車いす使用者~
肢体不自由者(車いす)の場合:
「使用できるトイレがない、少ない」など
  • 一般のトイレ様式でも、入口幅が確保されていれば、車いすで入れます。扉を閉めることができない場合は、シャワーカーテンなどを使用することで、一時的な対応ができます。

例①:一番奥のトイレを使用し、パーティションなどで目隠しをする。
例②:ドアを外し、シャワーカーテンなどを付ける。


アイコン:知的障害者
知的障害者の場合:
「トイレの案内表示が英語や漢字でわかりにくい」など
  • 案内表示は色やイラスト、ひらがななどを使用したり、ふりがなをふるなど、誰でもわかりやすいものにしましょう。

【重要】
 原則的には、多目的トイレはいつでも利用したい人が使えるように、鍵をかけないことが望ましいです。しかし、安全管理上、多目的トイレにやむを得ず鍵をかけざるを得ないこともあります。
 このような場合は、障害者など多目的トイレの利用が想定される人に対して、施設側から、多目的トイレには鍵がかかっていること、利用時は受付に声をかけていただきたいことなどを、事前にしっかりと伝えると、スムーズに利用いただけます。また、当該トイレやそれ以外の場所にも掲示をするなどして、周知を行ってください。


施設での工夫

大人のオムツ替えや休憩用にベッドを

肢体不自由者や知的障害者は、オムツを使用している場合があります。多目的トイレ内にベッドや広めの長椅子を用意すると、休憩やオムツ替えなど幅広い用途に活用できます。

●【府中市生涯学習センター】
多目的トイレ内に広めの長椅子を用意し、乳幼児だけでなく成人のオムツ替えにも対応しています。

イメージ図:多目的に使える長椅子を用意多目的に使える長椅子を用意(府中市生涯学習センター)

片側の手すりを可動式に

車いす使用者がトイレを使用する場合、両側の手すりが固定されていると、乗り移りができません。後から手すりを付ける場合は、片側の手すりを可動式にしてください。

●【鹿児島県障害者自立交流センター】
多目的トイレでは、片側の手すりが可動式になっています。

イメージ図:片側の手すりが跳ね上げ式になっている片側の手すりが跳ね上げ式になっている(鹿児島県障害者自立交流センター)

オストメイト対応トイレ

腹部に人工肛門や人工膀胱を造設した人を、オストメイトと言います。オストメイトがトイレを利用する際は、腹部に取り付けたパウチを洗浄するための設備が必要になります。

●【町田市立陸上競技場】【武蔵野市総合体育館】
多目的トイレに、オストメイト用設備を備えています。




イメージ図:オストメイト用の設備
多目的トイレ内のオストメイト用の設備
(町田市立陸上競技場)
イメージ図:オストメイト設備があることを示すアイコン
オストメイト設備があることを示すアイコン
(武蔵野市総合体育館)

両側面にスイッチのある給水器を

片手しか使えない人のために、給水器のスイッチは左右両側にあるのが理想的です。

●【東久留米市スポーツセンター】【目黒区民センター体育館】
給水器は、前面・左右側面にスイッチがあります。また、車いす使用者にも使いやすい高さで、下部のスペースも確保されています。

イメージ図:前面・側面にスイッチがある給水器(目黒区民センター体育館)前面・側面にスイッチがある給水器(目黒区民センター体育館)イメージ図:前面・側面にスイッチがある給水器(東久留米市スポーツセンター)前面・側面にスイッチがある給水器(東久留米市スポーツセンター)