車いすのまま利用でき、オストメイトなどの設備がある「だれでもトイレ(多目的トイレ)」がない場合も、すべての利用者が気持ちよくトイレを利用できるように工夫をしましょう。まずは、常に清潔を保つところから心がけてください。
例①:一番奥のトイレを使用し、パーティションなどで目隠しをする。
例②:ドアを外し、シャワーカーテンなどを付ける。
【重要】
原則的には、多目的トイレはいつでも利用したい人が使えるように、鍵をかけないことが望ましいです。しかし、安全管理上、多目的トイレにやむを得ず鍵をかけざるを得ないこともあります。
このような場合は、障害者など多目的トイレの利用が想定される人に対して、施設側から、多目的トイレには鍵がかかっていること、利用時は受付に声をかけていただきたいことなどを、事前にしっかりと伝えると、スムーズに利用いただけます。また、当該トイレやそれ以外の場所にも掲示をするなどして、周知を行ってください。
肢体不自由者や知的障害者は、オムツを使用している場合があります。多目的トイレ内にベッドや広めの長椅子を用意すると、休憩やオムツ替えなど幅広い用途に活用できます。
●【府中市生涯学習センター】
多目的トイレ内に広めの長椅子を用意し、乳幼児だけでなく成人のオムツ替えにも対応しています。
車いす使用者がトイレを使用する場合、両側の手すりが固定されていると、乗り移りができません。後から手すりを付ける場合は、片側の手すりを可動式にしてください。
●【鹿児島県障害者自立交流センター】
多目的トイレでは、片側の手すりが可動式になっています。
腹部に人工肛門や人工膀胱を造設した人を、オストメイトと言います。オストメイトがトイレを利用する際は、腹部に取り付けたパウチを洗浄するための設備が必要になります。
●【町田市立陸上競技場】【武蔵野市総合体育館】
多目的トイレに、オストメイト用設備を備えています。
片手しか使えない人のために、給水器のスイッチは左右両側にあるのが理想的です。
●【東久留米市スポーツセンター】【目黒区民センター体育館】
給水器は、前面・左右側面にスイッチがあります。また、車いす使用者にも使いやすい高さで、下部のスペースも確保されています。