アンケート調査などで寄せられた、障害者利用に関する質問についてお答えいたします。
各施設によって状況が異なるので、一概に「正解」とは言いがたい点もありますが、参考にしてください。
Q:盲導犬の待機スペースが用意できない場合は、どのようにしたら良いでしょうか?
A:盲導犬は仕事をしているときはとてもおとなしくしています。専用スペースを常に準備していなくても、少しのスペースで待機できます。犬が待機するところに、マットや毛布などがあるとさらに良いでしょう。
Q:聴覚障害者の初回登録時の対応は筆談で行っているため、とても時間がかかります。何か良い方法はありますか?
A:聴覚障害者用の説明資料を事前に用意してはいかがでしょうか。施設の案内やルールなどの資料を、シンプルな表現とイラストなどを使って作成しておき、初回利用時に読んでもらいましょう。その場で書くよりも時間が短縮でき、スタッフの誰が説明しても同様の案内ができる点でもおすすめします。
また、補足説明には筆談ボードを活用すると良いでしょう。タブレットなども活用できます。
Q:体育館内で競技用車いすを使用する場合、床に傷がつきませんか?
A:「絶対に傷がつかない」とは言えませんが、このことは、他の競技種目でも言えることだと思います。また、昨今の競技用車いすは、傷がつきにくい工夫を重ねて改良されています。一方で、バレーボールや武道などでは、床のささくれが事故につながる可能性があり、施設管理者として安全管理が必要になります。
そこで、施設側と利用者で話し合いを行い、利用者から具体的な練習メニューを示してもらうなどの調整をするとともに、転倒などにより傷がついたかもしれないと思ったら必ず報告してもらう、といった関係を構築するなど、相互理解を深めていくことも一案です。
Q:テニスコートやグラウンドで車いすを使用してプレイする場合、コートが傷むことはありますか?
A:東京都の障害者スポーツセンターでも、今までそのようなことはありません。人工芝でも大丈夫です。グラウンドの場合は、雨などでぬかるんでいたりすると、タイヤが沈んでしまって凸凹にはなるかもしれませんが、整備をすれば問題ありません。
Q:「プールサイドで走らない」などの注意は、知的障害の人にも同様に行なっても良いのでしょうか?
A:プールサイドを走ってしまうような場合には、一般の利用者と同様に注意を促していく必要があります。理解力には違いがあるので、普段のコミュニケーションを大切に、利用の状況などを見守っていくようにしましょう。また、注意喚起などの掲示は、絵やひらがな、ふりがななどの工夫をして、誰でも理解しやすいものにしましょう。
Q:知的障害者などがパニックを起こしたときに、どのように対応したら良いですか?
A:パニックを起こした状況や理由がわかる場合には、それを取り除く、もしくはその状況から遠ざけて、落ち着ける状況にしましょう。安心するような声かけをしながら、静かな場所や落ち着ける場所に連れていくと良いでしょう。
Q:オストメイト用のトイレがないため、利用をお断りする場合があります。良い対応方法はありますか?
A:まずは、事前にオストメイト用のトイレがないことを、情報としてお伝えすることが大切です。その上で、ご本人の体調などの状況や希望により、利用が可能かどうか、どのようにすれば利用できるかなどを確認していくようにしましょう。
Q:ペースメーカーを使用している人がいます。何か注意することはありますか?
A:ペースメーカーを使用している場合には、強い電磁波が出ている機械に触れることは危険です。電磁波で測定する体脂肪計などは使用しないようにしてください。また、脈拍を測定できるエアロバイクやランニングマシーンにも、電磁波を使用しているものがあります。メーカーに問い合わせ、ペースメーカーの人が利用できるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
Q:精神障害者ですぐに休んでしまい、声かけをすると続けるのが難しいという人がいます。どのようにアドバイスをしていったら良いのでしょうか?
A:薬の影響や普段の生活リズムなどで、精神障害者は疲れやすいことがあります。その人のペースやリズムで行えると良いでしょう。無理をしないように声かけをしていくことは大切です。また、少しずつ運動量や時間を延ばしていけるように、見守りと声かけ、目配りをしていくと良いでしょう。
Q:混雑している時間帯は、介助をすることが難しいです。どのように対応すれば良いでしょうか?
A:利用者とコミュニケーションをとり、施設として介助ができそうな時間帯や空いている時間帯などを提示してみてはどうでしょうか。その時間に来られるなら、施設として介助を含め対応策を考えていけると良いでしょう。また、どうしてもスケジュール調整が難しい場合には、介助者をつけていただくなどの提案もできると思います。
Q:障害のある方が参加できるスポーツ教室を運営しようと思いますが、どのようにしたら良いでしょうか?
A:参加者の障害を把握して、安全に行える工夫をしましょう。本人と話をして、「どのようにするとやりやすいのか?」「スポーツ経験はあるのか?」「現在はどのような運動をしているのか?」「どの程度の動きができるのか?」などを、聞いていくと良いでしょう。介助者がいなくても参加できる人もたくさんいますので、どこまでできるのか、聞いていきましょう。
【周知用チラシへの掲載例】
武蔵野市スポーツ・野外活動情報誌『Do SPORTS!』に掲載されている 「大人向けスポーツ教室」案内
目黒区立八雲体育館の「ふれあい体操」チラシ