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アイコン:コラム・Q&A障害者スポーツクラブの現状 ~団体要件について~

障害者も健常者同様、競技スポーツや生涯スポーツのクラブを結成し、活動を行っています。その活動場所としては、都内2か所にある障害者専用のスポーツセンターのほか、区市町村立など地域のスポーツ施設や体育館を利用しています。

現状では障害者スポーツ特有の事情により、利用できるところが少なく、継続的な活動が難しい状況です。

「地区内在住・在勤・在学」要件を満たせない障害者スポーツクラブ

多くの施設において、団体登録したり、優先予約における優先度の高い団体としての資格を得るには「何人以上の地区内在住もしくは在勤者、在学者」の要件を満たす必要があります。
 しかし、障害者スポーツはそもそも競技人口が少なく、メンバーを集めるのが難しいこともあり、地区内に在住・在勤・在学しているメンバーのみでクラブを構成することは、極めて困難な状況にあります。

<例:都内某スポーツクラブのメンバー構成>
選手・スタッフ登録人数 20名のうち
 ■都内在住者 9名
(内訳)A区2名、B区1名、C市3名、D市2名、E市1名
 ■都外在住者 11名
  →うち都内在勤者9名
  (内訳)F区3名、G区2名、H区3名、I区1名


上記の例からもわかるように、いずれかの地区で団体登録や優先予約をしたいと思っても、必要な条件を満たすことができない場合が多々あります。

実態を理解し、柔軟な対応を

障害者にとってスポーツは、健康の維持や社会参加、競技力向上による自己実現など、大きな役割を持っています。
 今後の障害者スポーツのさらなる普及と発展のためにも、都内スポーツ施設において障害者スポーツの実情を理解いただき、障害者スポーツの団体要件について現状に即した柔軟な対応や施設での工夫を、今後の検討課題の一つとしていただけると幸いです。