「新しい日常」のスポーツ

スポーツ推進企業の取組

 ウィズ・コロナ時代における「新しい日常」において、密を避ける等の工夫をしてスポーツに取り組んでいる令和元年度の推進企業の事例を収集しましたので、ご紹介します。
 取組内容は①テレワークでの取組、②職場での取組、③雇用アスリートによる取組、④その他の取組 の4つに分類しています。企業をはじめ、スポーツに取り組む多くの人の参考にしていただければ幸いです。詳細については、こちらをご覧下さい。
 なお、令和2年度の東京都スポーツ推進企業の取組については認定後に掲載していきます。詳細についてはこちらをご覧ください。


① テレワークでの取組

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、テレワークに取り組んでいる企業が増えました。一方で、社員が自宅で過ごす時間が増えたため、運動不足が懸念されています。
 これに対し、オンライン会議システムや動画配信サイトを活用して、スポーツを推進している企業をご紹介いたします。

エクササイズのライブ配信でお客様も従業員も健康でキレイに (株式会社協和)

 新型コロナ感染症拡大の影響により、一斉にテレワークとなり、従業員から運動不足の声が上がったため、社員である元競歩五輪選手・栁澤哲氏を講師として4月から、午後のオンラインエクササイズ、筋トレやウォーキングの配信を開始した。社内では、テレワーク導入後、会えないことの不安や孤独感、コミュニケーション不足が課題となったが、オンラインでの取組を実施したことにより、お互いの顔が見える安心感や、同僚と繋がる安堵感に繋がり、コミュニケーションの場となった。また、参加者からはコロナ太りの解消になった、家族と一緒に体を動かすいい機会になったと言った感想もあった。
 また、協和では 2011 年より毎朝、社長を含め全従業員が朝のエクササイズを行ってきた。体のエクササイズだけではなく、顔のエクササイズに、心の健康(マインドフルネス)を実施している。現在は、従業員だけではなく、お客様に寄り添い一緒に健康にキレイになっていただきたいとの想いから、オンラインにより一般のお客様のほか、多くの方が参加している。コロナ渦の中、オンラインだからこそ、住んでいる場所に関わらず気軽に参加できる取組として、今後も継続していき、参加者を増やしていきたいと考えている。
 朝のエクササイズはこちらから体験できます。
 https://www.youtube.com/watch?v=67Axa-RN2DQ

朝のエクササイズでの様子
画像:株式会社協和

トレーニング動画の配信 (株式会社THINKフィットネス)

 自粛期間中、社内メールにて女子フィジークチャンピオンで、ゴールドジムトレーナーである大澤直子氏による、自宅で誰でも強度を変えてできるトレーニングとして「プッシュアップ(腕立て)チャレンジ」の動画配信をした。
 動画の出演者は全社員が対象で、これまで2回の動画配信を行い、8名の社員が出演した。
動画を見ながら3分間でどれだけできるのか、自分との闘いになったが、動画終了後「3分もできなかった。」「出演者に勝った!」など、いろいろな感想があった。
厳しい状況下ではあるが、トレーニングを継続することにより、社員同士が心を合わせて、モチベーションを高め、維持することができた。

社員出演の
「プッシュアップチャレンジ」
での動画
画像:株式会社THINKフィットネス

毎朝のラジオ体操はリモートで実施(株式会社ゴールドウイン)

 コロナ禍対応のため、毎朝恒例のラジオ体操をリモートワーク前の朝礼時に開始した。現在も、在宅・出勤者ともに継続している。
 緊急事態宣言の下、リモートワークで外出機会も少なくなったことによる、体重の増加とストレス過多を軽減するため、毎朝のラジオ体操を継続することで一日の生活リズムを保ち、健康維持につなげている。また、ラジオ体操を継続することにより、生活の充実度が増し、個人のワークリズムを確立するとともに、健康経営の一環として、社員専用の健康サイト「ウェルネスポイント」を利用した、ダイエットチャレンジキャンペーンを開催している。

リモート体操の様子
画像:ゴールドウイン株式会社

このほかの企業の取組は こちら(571KB) です。

② 職場での取組

 職場において、新型コロナウイルス対策を行いながら、スポーツを推進している企業の取組を紹介します。

感染予防対策をしてのウォーキングを兼ねた清掃ボランティア (日本交通株式会社赤羽営業所)

 当社では、平成 28 年のモデル企業に選定された取組の一つである「ウォーキングを兼ねた清掃ボランティア」を現在も継続して実施している。参加者は事前に検温を行い、作業中はマスクを着用。作業終了後には手指消毒を徹底している。
 現在は、新型コロナ感染症拡大により、限られた人数での取組となっているが、この取組は、創設以来から継続している取組で、職員各自が自由に参加し、健康増進と社会貢献に取り組んでいる。
 そのほかにも、感染予防対策をしながら、ゴルフ部とマラソン教室(ウォーク&ラン)の活動を再開した。
 秋にはドッチボール大会とソフトボール大会の開催を予定している。
 今後もスポーツを通じて、職員の体の健康、心の健康をベストな状態に維持できるように支援していく。

感染予防対策をしながらの
「ウォーキングを兼ねた清掃ボランティア」画像:日本交通株式会社赤羽営業所

感染予防対策をして再開したヨガ教室 (ヤスマ株式会社)

 7月からヨガ教室を再開した。
 参加人数が多い場合を想定して、社内で一番大きな会議室を用意した。
 参加者は全員マスクを着用し、会場の窓を開放して室内の換気を行い、参加者同士の間隔を確保して実施した。
 今後も様子を見ながらイベントを再開していきたいと考えている。

出社組によるラジオ体操の実施 (管清工業株式会社)

 当社では創業以来、社長をはじめとする、役員、社員全員で、毎朝ラジオ体操を実施している。新型コロナ感染症拡大の影響により、4月からテレワークを開始したが、現在も出社する社員でラジオ体操を実施している。ラジオ体操を行う際は、感染症防止対策としマスク着用、社員同士の間隔を空けて実施している。

社員同士の間隔を空けて実施しているラジオ体操の様子画像:管清工業株式会社

社員同士の間隔をあけて実施しているラジオ体操 (大成温調株式会社)

 新型コロナ感染症拡大の影響により、テレワークや在宅勤務が増える中、出勤している社員全員で始業時間にラジオ体操を実施している。始業時間でのラジオ体操は以前から実施していたが、感染予防対策として、マスク着用の上、社員同士の間隔を 2 メートル以上とり行っている。
 また、以前から年2回実施している「社内ウォーキングキャンペーン」を感染予防への注意を呼びかけながら今年度も引き続き進めている。特に、何らかの運動を始めたい・・・と思いながらもきっかけをつかめずにいる社員に参加を勧めている。日常生活のなかに、少しでもウォーキングを取り入れてもらいたいという思いから、今後も継続していきたいと思っている。

社員同士の間隔をあけて実施しているラジオ体操画像:大成温調株式会社

職場でのオリジナル体操の実施  (株式会社スヴェンソンホールディングス)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、在宅勤務を開始した。
 慣れない環境への不安や、運動不足などを心配する声が社員から寄せられたため、社内イントラ「STAY HEALTHY~自宅でできる健康法~」をテーマに、職場でも自宅でもできる健康活動方法を定期的に配信した。
 出社した時は、昼礼の際にオフィスで密を避けて、「Rising Sun」の音楽に合わせ、当社オリジナル体操を実施した。
 体操をすることにより、運動不足の解消、社員同士のコミュニケーション、作業効率の向上、健康意識の維持に繋がっている。

オフィスでの
オリジナル体操の様子画像:株式会社スヴェンソンホールディングス

職員も一緒に施設利用者との体操 (有限会社すこやか)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、春に予定していた「お花見ウオーキング大会」が中止になったが、新型コロナウイルス感染症を吹き飛ばすような楽しいイベントを開催しよう!ということで、「コロナに負けるなプロジェクト!」を立ち上げた。
 当社の8ある事業所をリモートで繋ぎ、機能訓練指導員の資格を持つ職員のリードのもと、200名の利用者と職員で体操を実施した。
 利用者と職員が一体となって体操を行い、外出自粛で運動不足の職員も楽しみながら行っていた。

事業所をリモートでつないで
体操をしている様子画像:有限会社すこやか

三密を避けてのラジオ体操の実施 (通信機器産業健康保険組合)

 感染拡大防止対策のため、毎朝実施していたラジオ体操を中止していたが、6月より再開した。マスク着用、オフィスの換気、職員同士の間隔を空ける等のソーシャルディスタンスを意識し、感染防止対策に十分配慮した上で実施している。ラジオ体操を継続することにより、運動不足の解消や心身のリフレッシュに役立てている。
 また、在宅勤務時にも活用できるトレーニングやストレッチ動画を周知する等、職員の健康維持・増進を図っている。

再開したオフィスでの体操の様子画像:通信機器産業健康保険組合

感染拡大防止対策の徹底 (日本交通株式会社 赤羽営業所)

 感染拡大防止対策として、毎日営業所入口前での体温測定と手指消毒を実施し、営業所内ではマスク着用を徹底してる。
 また、三密を避け、マスクを着用して朝の体操を実施している。
 それから、7月から感染拡大防止対策をしながらゴルフ部が活動を再開した。
 社員の体の健康、心の健康を維持することが、安全な公共輸送機関としての使命を果たす第一歩と考えている。新しい日常において、社員ひとりひとりがルールを守り、元気で明るい職場を構築している。

営業所入口での
感染拡大対策と朝の体操画像:日本交通株式会社 赤羽営業所

オフィスでの感染防止対策(一般財団法人 明治安田健康開発財団)

 感染拡大防止対策として、1日3回当番制で、要所の除菌作業を実施している。除菌対象は人が触る場所を中心にチェックリスト化されている。当センターでは日常生活の動きの中には意識して筋肉を使う点に着目した「マッスルチャンス」を推奨しており、清掃作業も「マッスルチャンス」と捉え、楽しみながら実践している。今後、防疫清掃での「マッスルチャンス」のビジュアル化を検討している。

職員の運動機会の確保 (一般財団法人 明治安田健康開発財団)

 緊急事態宣言解除後、感染対策を徹底し、職員向けフィットネスルームの開放を再開した。また、ウォーキングアプリを活用し、昼休みには3密を避けて、感染対策に十分な配慮をした上で「20分間ウォーキング」を再開した。そして、在宅勤務時にも活用できるエクササイズを周知する等、職員の免疫の向上・運動機会の確保につなげている。

マッスルチャンス
(除菌作業チェックリスト)
画像:一般財団法人 明治安田健康開発財団

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③ 雇用アスリートによる取組

 企業で積極的に雇用しているアスリートの方による、スポーツを推進している取組を紹介します。

雇用アスリートによる社員向けストレッチ等の動画配信 (凸版印刷株式会社)

 当社では、JOCをはじめとする各団体と連携しながら、車いす陸上、女子ラグビー、車いすテニス、陸上競技(短距離)の各種目でスポーツ専従社員を採用している。
 雇用アスリートからの提案で、新型コロナ感染拡大の影響により在宅勤務を始めた社員の運動不足解消のため、ストレッチ等の動画配信を開始した。身近なアスリートからの指導により、運動意欲の向上、スポーツへの参加意欲を高めることができた。今後、SNSを活用して、様々な情報発信を予定している。アスリートとしての社会的意義など彼らが考えていることを少しずつ形にできればと考えている。

女子ラグビー選手による
腹筋トレーニングの動画配信画像:

イントラ社内報・公式SNSでの所属アスリートによる「応援バトンリレー」投稿
(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)

 緊急事態宣言下、「応援バトンリレー」と称して、イントラでの社内報webサイトや公式SNSにて、所属アスリートによるリレー投稿を行った。選手がどのように工夫して練習しているかなどを掲載した。在宅勤務やステイホームで業務を行う全国の社員に元気を届けたい、社会の皆さまに少しでも自宅生活を楽しく過ごしてもらいたいとの願いから投稿を始めた。イントラ社内報を見た社員からは、「元気をもらえた」などの感想が寄せられたほか、他のアスリートや競技団体の方のシェア投稿により、広く周知された。

公式Facebook https://www.facebook.com/adchallenge/

 今後もたくさんの方を元気づけられるような発信投稿などの取組を検討している。

応援バトンリレーの投稿ページ
画像:あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

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④ その他の取組

 アプリの活用やオンラインスポーツ教室等の取組を紹介します。

徹底した感染予防対策でのクラブチーム活動の再開 (株式会社 THINK フィットネス)

 当社は、社員として働きながら競技を続ける「ビジネスアスリート」を支援している。
感染症拡大の影響により、しばらくの間、活動を休止していたが、6月から感染防止対策を徹底した上で「東京ヴェルディ Gold's バスケットボールチーム」と「ゴールドジムベースボールクラブ」の活動を再開した。
 バスケットボールクラブでは、選手、スタッフは常にマスク着用、体育館に入る前の手指消毒、検温と体調管理を徹底し、また、地面との接触を断つため、練習中の荷物やタオル、水などは各自、直置きせず除菌した椅子に置く、大きめのビニール袋に入れるなど徹底しておこなっている。そして、ベースボールクラブでは、使用する球場へ体調管理表を提出し、原則無観客で試合を実施している。シャワー利用時には、時間を振り分け、ロッカーの利用人数を制限するなど感染予防対策を徹底して行っている。
 クラブチームの中でも、健康に直結するスポーツクラブに勤めている自覚を持ち、他のクラブの模範になれるよう活動している。そして今後も選手が長く競技を続けるための環境づくりを提供していきたいと思っている。

感染症予防対策をしながらのクラブ活動の様子
画像:株式会社 THINK フィットネス

感染予防対策をしてのヨット部の活動再開 (JK ホールディングス株式会社)

 当社では、社内スポーツ活動(フットサル、野球、ヨット、ゴルフ部)に対する支援を行っている。新型コロナ感染症拡大の影響により、全ての社内スポーツ活動が休止になったが、8月から、朝の体温計測、アルコール消毒等、感染防止対策を徹底した上で、ヨット部の活動が再開された。
久しぶりに活動が再開され、リフレッシュな気分になれて気持ちいいといった感想が聞かれた。
現在は、ヨット部のみ活動が再開しているが、他のスポーツ活動も徐々に再開できるよう、支援していきたいと思っている。

活動前のアルコール除菌の様子
画像:JK ホールディングス株式会社

感染症拡大防止のための取組 (東京都職員共済組合)

 保有している清瀬運動場のテニスコートや野球場を使用する際には、感染症拡大防止対策として、施設利用者には、使用前には体調管理のためのチェックシートに記入をしてもらった後、個別に消毒セット(手指用消毒液、設備用消毒液、タオル)を貸出し備品等の消毒をお願いしている。
 また、運動場内及び共済組合ホームページに「清瀬運動場をご利用する際に守っていただきたい事項」を掲載して、事前に感染症拡大防止のための確認をしてもらっている。
 さらに、クラブハウス、トイレ、ロッカールームの出入口にはそれぞれ消毒液を設置しているほか、テニスコートのベンチ、野球場のダグアウトと応援席の座る場所を減らすなどソーシャルディスタンスを保てるような対応をしている。その他にも、飛沫感染予防として、受付にビニールを設置し、また、なるべく利用者が施設に接触しないようにするため、クラブハウスの出入口を開放する等の取組を実施している。今後もこのような取組を継続して実施し、施設全体の感染予防に努めていきたいと思っている。

チェックシートに記入をしている様子と消毒セット
画像:東京都職員共済組合

コロナ禍におけるアスリート雇用 (あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)

 当社では、コロナ禍にあっても、障害者スポーツの機運醸成やアスリート支援を滞らせることなく、今できうる取組を継続している。
 今年度は3名のアスリートを雇用した。入社式には職場社員が総出でソーシャルディスタンスを保ちつつ、感染対策を十分に行い、通常の入社式と異なる温かみのある手づくり入社式を行った。
 そのほかにも、事前に建物内のバリアフリー改修をするなど、受け入れる職場では、心のバリアフリー研修および職場会を開催している。
 また、社内イントラでアスリートの活動や採用記事などを掲載し、スポーツ支援の火を灯し続けられるように工夫しています。所属アスリートからは、コロナ禍の今だからこそ、「会社のために自分たちにできることは何か」を考える意識が高まったとの反応があった。
 今後もスポーツ領域での明るい取組が社員の元気を引き出す一助になればと考えている。

入社式での辞令交付の様子画像:あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

室内での自重トレーニング (国際ソフトウェア株式会社)

 当社では、社員の健康促進のため、仕事や普段の生活での一定期間の歩数を競う「歩け歩け大会」を実施した。開催期間は当初、GW 前後を予定していたが、夏季休暇期間中の4週間に日程変更した。
 在宅勤務の社員も多く、猛暑も予想されたため、室内での自重トレーニングを社内イントラで紹介し、トレーニング回数等はボーナスポイントとして歩数に加算する仕組にしたところ、「歩け歩け大会」の参加者の4割が自重トレーニングに参加した。
 器具を使わず、無理なくできるトレーニングを紹介したことで、自分の中で目標を立て、楽しんでトレーニングに励んでいる様子が見られた。

室内での自重トレーニング画像:

共通のランニングアプリをインストールしてSNSで共有(ラディックス株式会社)

 個別で取組むことができる「ランニング」を皇居周辺で実施していたが、感染拡大防止対策のため、集団でのランニングを中止し、各自自宅周辺でのランニングに切り替えた。そして、ランニング用のアプリを各自スマートフォンにインストールし、ログ画面をグループLINEで共有した。ログ画面を共有することにより、モチベーションアップに繋げることができた。

ランニングアプリの共有画面
画像:ラディックス株式会社

このほかの企業の取組は こちら(500KB) です。



《スポーツ推進企業とは?》

 社員のスポーツ活動を推進する取組や、スポーツ分野における社会貢献活動を実施している企業等を「東京都スポーツ推進企業」として認定します。認定した企業のうち、特に社会的な影響や波及効果の大きい取組をしている企業等を「モデル企業」として表彰します。さらに、累計5回「モデル企業」となった企業を「殿堂入り企業」として表彰します。