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※本マニュアルは平成28年2月発行のため、当時の表現となっておりますが、ご了承ください。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで残り4年半となりました。東京は世界で初めて2回目のパラリンピックを開催する都市であり、東京2020大会の成否はパラリンピックの成功にかかっています。


昨年12月に東京都が作成、公表した「2020年に向けた東京都の取組-大会後のレガシーを見据えて-」では、パラリンピック競技大会が社会に変革をもたらす力を持つことに触れ、東京は大会を開催する都市として、障害のある人もない人も互いに尊重し支えあう共生社会を実現していかなければならないとしています。


障害者スポーツの振興は、こうした共生社会の実現に向けた重要な取組の一つです。普及啓発・理解促進、場の確保・人材育成、競技力向上など、様々な視点から2020年に向けスピード感を持って施策を進めていくとともに、大会後も障害者スポーツが永くレガシーとして残るよう、先を見据えて行っていくことが必要です。なかでも、障害のある人が身近な地域においてスポーツに親しめる環境を、ハード・ソフトの両面から整えていくことは、障害者スポーツ人口の裾野拡大につながるだけでなく、ノーマライゼーションの考え方を社会に広げていくための契機となります。


一方、バリアフリー設備や専門スタッフが十分整わないことなどから障害者の受入に消極的なスポーツ施設もあると聞いています。このマニュアルではスポーツ環境の整備に資する取組のうち、大規模な工事等を必要としないソフト面からの工夫や、障害者への配慮など、区市町村等のスポーツ施設が比較的取り入れやすい事例を中心に取り上げています。


また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)、いわゆる「障害者差別解消法」が平成28年4月1日から施行されることとなり、国や各自治体は、自ら差別を行わないことはもちろん、障害のある人への理解を深める取組を広く行うこととされています。


本マニュアルが、都内各所のスポーツ施設における障害者の受入れ体制の向上と、障害のある人もない人も、気持ちよくスポーツを行える環境整備の一助となれば幸いです。

最後に、マニュアルの作成にあたり、お忙しい中、アンケート調査やヒアリング調査に御協力いただきました区市町村スポーツ主管課、施設管理者、団体の皆様及び障害者スポーツ専用・優先施設管理者、団体等の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。